written in 7 Apr.1999
なんだか書くたびに過去へと溯っているような気がするこの企画、今回も例外ではありません。今度なんか一気に２０年も溯っちゃった…。
第３回は「すくらっぷ・ブック（小山田いく著、秋田書店少年チャンピオンコミックス刊）」に出てくる「柏木晴（かしわぎ はる）」君です―以下、通称の「晴ボン」でいきます―。そう、今回は男性キャラなのだ。手元に本がないので正確な連載期間は不明ですが、１９８０年４月頃から約２年間少年チャンピオン誌に連載されていた作品です。で、晴ボンはこの作品の主人公です。
キャラクターの選定理由を説明すると少々長くなります。私はかなり前から「弘子さんの声は結構男の子っぽい」と思っていまして、５年ほど前にＴＶ放映された「３丁目のタマ・うちのタマ知りませんか」の主役タマを演じるのを聴いて間違いなく男の子役がいけると感じました。その前から歌では男の子の立場で歌っている曲がファンにも好評でしたが、演技の方でも好評を得たようです。とは言え、弘子さんの声は決して低い方ではなく、むしろ高い方と言っていいでしょう。とすると、声変わり後のキャラクターではさすがに無理があると考えました。つまり、目一杯上を見て中学生くらいが限度だろうと判断しました。声が高めだと言う事を考慮すると、出来れば小柄なキャラクターが望ましい。「すくらっぷ・ブック」は舞台が中学校で、晴ボンは作品中では２年生から３年生（連載期間と作品中の時間がほぼ一致している為）で、しかも都合のいい事に２頭身―平均的なキャラクターは４頭身―で、この辺が物理的な選定理由です。
晴ボンというキャラクターは美術部に所属していて、得意科目は国語と美術です。基本的におとなしめで争い事は好みません。この辺の性格的な面も弘子さんがやるとちょうどいいのではないか、というのがもう一つの選定理由です。いかがでしょう？このキャラクターなら弘子さんが無理なく思春期真っ只中の男の子を演じられるのではないでしょうか。
実は、この作品には「日生香苗（ひなせ かなえ）」という同級生の女の子が出てきます。晴ボンと同じく美術部所属で、おとなしくて少々泣き虫なところもあり、おまけに華奢な体型ときています。こちらなら多分作品のファンにも弘子さんのファンにも確実に受け入れられると思うのです―私だって最初に思い付いたのはこっちなのだ―。しかし、いつもいつも文学少女系キャラクターでは意外性も何もあったものではありません。で、晴ボンならば…３０％くらいの人が良さそうだと思ってくれるようなら、多分いい線行くと思います。出来れば、男の子っぽい声を出す事を意識せずに演じてもらえると最高ですね。
小山田いく先生の作品には結構前述の「日生香苗」系キャラクターが出てくるので、その辺をやっていけば何回となく続けられるんですが…ねたが偏るので当分手を付けないと思います。だいたい、私はここ数年先生の新作を読んでないんだよなぁ…。
例によって難点ですが、この「すくらっぷ・ブック」も映像化ないしは音声化される可能性がほとんど０である事です。困った事に十数年前にサンライズ―ガンダムなんかで有名な、あそこ―がアニメ化の企画を考えたらしいのですが、小山田先生の意向で実現しなかったらしいです―まんがで充分と言う事らしい―。果たしてサンライズがＳＦ、ファンタジー要素のない純然たる学園ラブコメ作ってうまく行くのかとか、他にも疑問はありますが。
ものが古いのでチェックしてみてとは言い難いものがありますが、機会があればぜひ検討してみて下さい。個人的にはこのキャスティング、結構自信があります。