written in 23 Jan.1999
modified in 1 Feb.1999
御大層なネーミングで始めてしまった新機軸？「検証シリーズ」の第１回は「恋はＧＥＴ ＵＰ！！」（アルバム「Ｍｅｍｏｒｉｅｓ２」収録）です。
この「恋はＧＥＴ ＵＰ！！」は、元々１９９４〜１９９５年頃に中京地区の結婚式場「出雲殿」のＴＶ ＣＭに使われていた曲で、その後ベストアルバム「Ｍｅｍｏｒｉｅｓ２」に収録されました。私自身はこのＣＭを広島で１度だけ見た事があるのですが、いかんせん帰省中で録画する事が出来ず、今に至っています。そう、広島でも同系列と思われる結婚式場のＣＭに使われていたのです。更に言えば、どうも和歌山にも同系列ではないかと思われる「出雲殿」と言う結婚式場があるのですね。私が和歌山県に来た時には各地でのＣＭソングが差し替えられた後で、地元ＴＶ局のＣＭチェックをするには至りませんでしたが…。
ところで、この曲はＣＭとアルバムとでは歌詞が若干違うのだそうです。まあ、商品名とかそれに類する表現をそのままアルバムに収録するのはちょっとはばかられるでしょうし、アルバム収録にあたって普通のラブソング（？）に手直しするのは不思議ではないでしょう。ところが、アルバムバージョンのサビの部分は１６秒あるのです。元がＣＭソングなら１５秒になりそうなものですが、私は「多分フェードアウトしてたんだろう」と思ってあまり気にしませんでした。
しかし、あちこちで話を聞いているとＣＭバージョンはアルバムバージョンよりも全体に半音高いのだそうです。私は辛うじてＴＶで１回聞いただけですから全く判らなかったのですが、ビデオ録画したものを何度も聞いた私よりもはるかに音楽に詳しい人がそう言うのであれば信憑性は高いと判断しても良さそうです。とすると、アルバム収録時にわざわざ音程を変えて録音したと言う事になります。歌詞が違うのですから歌を改めて録音したのは間違いないにしても、制作予算が有り余っているとは考えにくい情況でわざわざオケ（オーケストラの略ですね）を録音し直すだろうか、という疑問を持ってしまったのです。
さて、ここで一つの計算をしてみます。１６÷１５です。答はおよそ１．０６７です。１６（秒）は私が測ってみたサビの長さですから、誤差はかなりあると思って下さい。１５（秒）はもちろんＣＭにちょうどはまる長さです。
次に、半音高いというのは周波数で言えばどのくらい違うか、です。１オクターブ違うと周波数は倍半分の関係になります。１オクターブには１２音階が含まれますから、２の１２乗根―つまり、ある数自身を１２回かけると２になる数―、 約１．０５９になります。これを１２平均律音階と言います。
そう、私はアルバムバージョンのメロディはＣＭバージョンと同じものを半音下がるように速度を変えて作ったものではないかと考えたのです。で、以前実験した事があります。アルバムバージョンのサビをパソコンに取り込んで、再生速度を１．０６倍にして聴いてみました。当たり前と言えば当たり前ですが、半音高く聞こえます。波形を表示させてサビの長さを測ると、これも当たり前ですが１５秒になります。少なくとも、技術的にはこの推論は間違いではない訳です。後はＣＭバージョンと実際に比較してみればいいのですが…私の手元にはＣＭバージョンがないのでやってみる訳には行きません。どなたか持ってらっしゃる方に実験をお願いしたいところです。
検証シリーズとか何とか言っていると言う事はまたやる気なんじゃないかとおっしゃる方、正解です。と言っても、今回同様一つの仮説をでっち上げる程度のねたが二つ三つあるくらいですが…。
Modification History
- 1 Feb.1999
- 実験の部分の不明瞭な記述を修正
誤字を訂正（”ＴＶ曲”→”ＴＶ局”、”仮設”→”仮説”）