written in 7 Feb.1999
日本マランツ（株）と八重洲無線（株）とが共同で設立した販売会社である（株）スタンダードが発足して半年あまりが過ぎました。この２社はメーカーとしては独立したままですが、営業、サービスの部門を統合して生き残りを図るためにこのような形にしたようです。
昨年までは２社の広告は半ば独立した形になっていたのですが、どうも今年になって広告の企画も同じ手法が取られるようになったように感じます。有り体に言えば、ヤエスブランドの製品も以前からのマランツ流の広告になった訳です。最新の製品であるVX-5の広告にはそれが顕著に出ています。で、私は以前からマランツの広告手法が嫌いだったのです。正直言って、あまりいい気分ではありません。
所詮広告なんていかにうまく嘘をつくかと言う事は承知しているつもりですが、あるジャンルの製品はこうあるべきだと言っておいて、次のモデルを出したら前に言った事をいとも簡単に全否定する―もちろん、以前の主張は間違いだったなんてことは言う筈もない―節操の無さが嫌いです。そして、マランツの広告はまずは他の誰かを貶めてから自分の優位を主張すると言う手法が目立つように感じるのです。自分の製品に自信があるのなら、それだけ堂々と主張すれば済む話だと思うんですが…。私は比較広告が嫌いな訳ではありません。むしろ好きな部類なんですが、「うちのが優れてる」と言うのと「あっちのは劣ってる」と言うのとではずいぶん違うと思うのです。どうせやるなら、大きな文字のキャッチコピーで思いっきり嫌みを言う方がマシってものです、某社みたいに。
ＣＱ誌の１９９９年２月号の広告の場合、全機種ラインナップのページはＨＦ（短波）機がある分だけヤエス色が残っていますが、他はもうマランツ色…に見えます。もっとも、製品ラインナップを見るとマランツ（スタンダードブランド）のハンディ機の立場がすっかり怪しくなってしまったと言う印象を受けました。ヤエスブランドの新世代機があれば充分事足りますから、ねぇ。そのうち広告の雰囲気が以前のヤエス風になったりして…。