written in 7 Feb.1999
ヨルダン・ハシミテ王国のフセイン国王が２月７日、亡くなりました。６３歳だったそうです。
なんでこんなところに書いているんだと思ったあなたは普通の人、別に不思議でもなんでもないと思ったあなたはアマチュア無線家である可能性が高いと思います。フセイン国王は、実はと言うわけではありませんが有名なアマチュア無線家でもあるのです―そりゃま、国王が無線をやっていれば嫌でも目立つけど―。そんな訳で、国家元首としてのフセイン国王の業績は他でいくらでも扱うと思いますので、私はここで追悼文を書く事にしました。
フセイン国王はもちろんコールサインを持っています。「ＪＹ１」というのがそれです。普通のコールサインは「Ａ１ＡＡＡ」とか「ＡＡ１Ａ」とか「１Ａ１ＡＡ」と言う形式になります。真中の数字（０〜９）を合わせて２〜３文字（２文字なら最初が英字、３文字なら最初が数字か英字で２文字目が英字）をプリフィックス、後の１〜３文字の英字をサフィックスと言いますが、フセイン国王のコールサインはプリフィックスだけなのです。さすが国王。昔、私の友人が無線雑誌の読者コーナーで募集していた「こんなコールサインが欲しい」という企画に「これで僕も国王だ！」と言ってプリフィックスだけのコールサインが欲しいと言って送ったら採用されてましたっけ―もちろん、雑誌の企画だから本当にもらえる訳ではないですが―。ちなみに、ヨルダンの場合は王族として生まれるとコールサインをもらえるのだそうです。もちろん、フセイン国王がそうしている訳ですが。
一触即発の危険がそこら中にある中東の事、とても無線にうつつを抜かしている暇などなかったと思いますが、その中でアマチュア無線にも深い関心を寄せていた事は何か私達ともつながりがあるような気がしていました。フセイン国王のご冥福を祈るとともに、ヨルダンのいっそうの発展を願います。