written in 20 Jan.2000
最近買ってきた某TV番組ガイド雑誌に、何故かちょっとしたガンダム特集が組まれていました。ぶっちゃけた話、監督の富野氏のインタビュー記事なんですが、内容を読んでて笑っちゃいました。その感想がずばり、今回のタイトルです。
∀（たーんえー、と読む…って、この字出るのか？Aの上下逆になった文字です）ガンダムというモビルスーツ、通称「ヒゲガンダム」と呼ばれています。このデザインについて富野氏は「ミードさんはすべてのガンダムを見て、半年考え、最後までガンダムのシルエットとしてこだわったのが顔のアンテナだったんだ。」と言っています。しかし、そのデザインをしたシド・ミード氏は別のインタビュー―出所不明で申し訳ないが―で最初に変える気だったのがあのアンテナだったが番組のプロデューサーなどに「あれを変えたらガンダムでなくなる」と反対されたという事をおっしゃっていました。二人の言い分は思いっきり反対ですが、どっちを信用するかと言われたら言うまでもなくミード氏を信用します、私は。少なくともここ10年、富野氏が信用に足る事を言ったかどうか怪しいものですが…。
同記事では∀ガンダムの画面に入れているものとして「近代兵器とクラシカルなものときれいなお姉さん」を挙げています…なんじゃいそりゃ。現実世界と一緒でしょ。良く言えばクラシカル、はっきり言って意味不明な「レトロ調デザイン」の車なんてのがそこら辺をごろごろしている訳ですし。売れ線のものを画面に出しているだけじゃないですか。
まあ、なんですね。∀というのは原点回帰を意味しているんだそうですが（元は数学の世界で「全てを含む」という意味の記号である）、掘ればなんでも出てくる―昔のガンダムやザクが―というのが富野氏の言う原点回帰という事なんでしょうかね。
あ、ジオンって記事中には共和国と書かれているんですが、確か公国だったような記憶があるのです。共和国と言っているのが自称芸能界一のガンダムフリークという人だから何とも言えませんがねぇ…。ザビ家の支配下になったときに共和国になったのか？でもああいう政治体制で共和国という事はないんじゃないかと…。
最後に。何でも、レンタルビデオの貸し出し実績などでもいわゆるファーストガンダム―この辺にこだわりの強い友人Aなどは「ガンダム」と言えば第1作の事を指すのが当然という見解であるが―が一番人気である事を挙げて世代を超えているとかドラマとして評価されているという見解がなされていますが、私としてはそれを否定はしないものの、単にシリーズ作品が安直に作られているだけという面もあるんじゃないかと思います。ガンダムって名前がついてればとりあえず話題になるしそこそこ当たるって事で。制作側もファンあがりのいわゆるオタク―あくまで差別用語である―が自分たちの趣味を出したいって言って作っているようにしか見えないし、ファンの方もそれで喜んじゃうのが多数を占めているんじゃなかろうか。この傾向がガンダムに限った事ではないとは言え、インタビューでずいぶんいろいろ言ってた富野さん、だったらガンダムじゃないのを作ってみてはいかがでしょうか。