written in 17 Feb.1999
世間はバレンタイン・デーで浮かれている２月１４日、一人さびしく大阪は梅田の梅田スカイビル―空中庭園で有名―でやっている「人体の不思議展２」に行ってきました。会期が昨年末までだったのが今月末までに延長されたおかげで、何とか行ってこれました。
「人体の不思議展２」というのは、早い話が人体標本の展示会です。この標本というのが「本物の人体を保存技術を駆使して標本化したもの」で、つまりは献体によって得た本物の死体を展示している訳です。よって、展示されているものはどれをとっても貴重な学術資料であり、多少なりとも知識を持って見れば得るものが非常に大きいものばかりです。ですから、本来ならここではなく拡大解釈を承知の上でＳｔａｒｇａｚｅｒｓ’ Ｃｌｕｂで扱いたい話題なのですが、本来書くべき感想の方がすっ飛んでしまったのでこちらに書いています。
私も理工系の端くれですから、こういうものは真剣に見て自分の糧にするべきだというのはよく分かっているつもりです。しかし、やはり本物の死体はやはり生々しいものがあります。相当頑張ったつもりですが、朝一番の比較的空いた時間帯に観たにも関わらず、１時間半程で出てきてしまいました。作り物であれば相当グロテスクなものでも見ているだけなら何とも思わない私ですが、本物は見ているだけでも気力を消耗します。と言うか、気合いを入れて見ないと失礼だと思うと必要以上に疲れてしまうのです。
しかし、会場をざっと見た範囲では２／３は女性で、そのほとんどは老若問わず嬉々として見ているように見えました。死体の写真集などを出すとその多くは女性が買っていくのだと聞いた事はありましたが、実際に目にするとやはり「女は強いなー」と思わずにはいられないものがあります。そう言えば、１１日にＮＨＫでやっていた手塚治虫原作の舞台「ブッダ」にも「女は強くなれない。もう十分強いから。」って感じの台詞がありましたっけ。中には、各標本に「触らないでください」と書いてなかったからか―常識的に言って触ってはいけない筈だし、少なくとも入り口には触るなと書いてあった筈―標本を触る女性も見かけました。カップルとか家族連れ、女性のグループはいくらでもいましたけど、男性だけのグループは見なかったような気がするのは気のせいでしょうか…。
そんなこんなで複雑な感想を抱きつつ会場を後にしましたが、見ておく価値は十分にありますので、機会があればご覧になる事をお勧めいたします。もう残り期間も少ないですけど…。ちなみに、大人で当日料金が￥１４００。駄作の映画見るよりは絶対に価値がありますよ。駄作って…もちろん―（自主規制）―とか―（自主規制）―とか―（自主規制）―とか…