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見てますよプロジェクトX

written in 29 Aug.2000
modified in 4 Sep.2000
modified in 7 Sep.2000
modified in 17 Sep.2000

なんとなく妙なタイトルだと思った方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらに呼応させたというか便乗したってだけです。とりあえず、それ以上の深い意味はありません。

さて、放映開始から丸5ヶ月も経っているのでどんな番組かは皆様おおよそのことはご存知だと思いますので私から敢えて紹介はいたしません。件のサイトでは早い時期に書かれたこともあって若干の見解の相違も見られますが、序盤にたまたま技術系の話が続いただけで、要するに「プロジェクト」の話を扱うのだと私は理解しています。私も（元）技術屋の端くれですのでやはり技術系の話の方が好きなんですが、それ以外では三宅島の全島民避難の話なんかずいぶん感動してしまいました。やるべき人がやるべき事をやるべき時にやった、要約すればそれだけなんですが、それがなかなか出来るものじゃないですからね。一番印象に残ってないのがスタッフの方々には悪いんだけど美空ひばりの回。見てた筈なんですが、途中寝ていたかのように内容を憶えていないのです。まだしばらくは続くであろうこの番組の汚点として輝くことは必定でしょう。

件のサイトではDVDを取り上げて欲しいなんてリクエストをされていましたが、あと5年は無理なんじゃないかと思っています。書き換え型（RAMと-RW）の規格闘争真っ最中ですし、その闘争も技術の壁を越える戦いというよりは特許に関わる利権闘争みたいに見えなくもありません―最前線の技術者にとってはもちろん技術の壁を越える戦いなのですが―。じゃあ、という事で私が見てみたいもの、やったら受けるんじゃないかと思うものをちょっと挙げてみようと思います。

レーザーディスク

もう多くの方は過去にVHDというビデオディスク規格があったことなど忘れているか、ひょっとしたら全然ご存知ないかもしれません。でもあったんです（私の知る限りでは他にもフィリップスが溝あり静電容量方式という規格を提唱してましたが…）。しかも規格の発表当時にはVHDを支持していたのは開発元のビクター以外に12社あったと記憶していますが、LDは開発元のパイオニアだけ。サブタイトル「13対1からの大逆転」なんて感じでどうだ―VHSの時とよく似てるのが気になるが―。

日本初の人工衛星「おおすみ」

私の立場上、これを挙げない訳にはいきますまい。故糸川博士の伝記になっちゃいそうな気もしますが、これ無しには日本の誇るH-IIやM-Vもなかった訳ですし。宇宙関係で言えばすばる望遠鏡（8月22日に放映済み）やH-IIでもいいんですが、45分じゃ足りない。おおすみでも45分じゃ足りないが、まあ関係者が減っているだろうから取材も困難だろうということで。

信越本線碓氷峠のEF63

鉄ねたです。これ、東海道新幹線とほぼ同時期のプロジェクトの筈なんですよね。時速200kmで脚光を浴びる新幹線に対し、66.7‰の勾配を越えるのに1時間かかっていたアプト式を止めて通常の線路で20分にまで短縮する為に開発されたのが「峠のシェルパ」ことEF63。ぢみ〜ですが、結構受けるんじゃないかと。オープニングに1998年9月30日の最終列車が発車するところなんか使うと泣きが入りそうだ。

ロータリーエンジン

CVCCがありならこれだってありだろう。コンパクトでシンプル、しかも高性能、これを未来の主流になるエンジンと考えて困難を乗り越えた記録を見て感動しないような技術者は技術者失格。

スバル360

車全体でみればこれは外せまい。今時のヌルい作りの車に比べて、恐ろしくなるほど考え抜かれて作られたこの車を取り上げない訳にはいくまい。オープニングテーマにもすばるって出てくるし（それは違う）。これを見て感動しないような奴は人間失格。生きていく資格無し。マニアックにいくならスバル1000なんだけども…。

TVアニメ「鉄腕アトム」

言わずと知れた、日本初の連続TVアニメ番組。当時は不可能と言われていたことでもあるし、ねたには事欠くまい。プロジェクトX的視点で見るとどんなのが出来てくるのか見てみたい。

TV特撮「ウルトラマン」

前述の鉄腕アトムとほぼ同じ。当時ン千万したというフィルム処理装置をいきなり発注した話など、制作にかかるまでの舞台裏だけでもいろいろあるらしいから、これもプロジェクトX的視点で見るとどうなるか興味深い。

沖縄の交通方式転換

アメリカ式「人は左、車は右」から日本式「人は右、車は左」に転換したときの話ですね。これは某所でいろいろ舞台裏があるんじゃないかと挙げられていたのを見つけたので書いてみました。

KR-19（はんだ）（4 Sep.2000追記）

ぢみなテーマならこういうのもありか。NASAご用達のはんだがどんな経緯で開発され、最初どうして日本で受け入れられなかったかといったくだりを描くと特に偉そうにふんぞり返る無能な上層部どもに受けるのではあるまいか。

…とまあ、いくつか挙げてみましたがどんなものでしょう。他にも面白そうなものはあると思うのですが、民放でドラマとして使われたものとかすでに放映されたもの（すばる望遠鏡）とか既に放映が決定しているもの（東京タワー）など、あるいは時期尚早なもの（プリウスなんか使えそうなんですがね、10年くらい経ったら）などなかなか一筋縄ではいきそうもありません。今日は世界初のAFカメラですなぁ、そう言えば。

さて、先日のすばる望遠鏡の回ですが、私は前歴―この7月に東京で見たプラネタリウム番組―からして泣いてしまうんではないかとはらはらしながら見てたんですが結局泣かなくて済みました。と言うか、1時間番組だったら危なかったんですが。最初の20分くらいまではかなり危なかったんですが、20分ほど経ったころに「あれ、まだこんな時期の話をしてる。建設がはじまったら一気に終わっちゃうじゃないか」と思った途端になんだか冷静になってしまいました。いや、関係者はざっと20年くらい携わっている訳ですが、計画が一般に公表された頃―15年位前だったと思います―から私もずいぶん待っていたのである程度は経緯を知っているのですよね。そうなると「ああ、あの話はどこへいった」てなところがいっぱい出てきてどう考えても45分じゃ収まらないって事になってしまうのです。もう5分、技術ねたに時間を割いていたらまた違った結果になったのではないかと思います。

今後のラインナップがなかなか見えてきませんが、ぜひともいい番組を作っていただきたいものです。

9月12日放映分は、なんと失敗したH-IIロケット8号機のメインエンジン引き上げを取り上げるそうで。これ、私は某おじさん向け週刊誌に連載中の「メタルカラーの時代」で読んだんですが―たまに本屋で雑誌が呼んでいるような気がして普段読まない雑誌を読むことがあるんです、私―、まさかこんなに早く取り上げられるとは。そっか、技術ねたに関して言えば「メタルカラーの時代」なんかはねた予測にいいかも。（4 Sep.2000追記）

すみません、件のサイト管理者からの指摘がありましたので補足いたします。DVDの番組を作って欲しいのではなく、プロジェクトXのDVD-Videoソフトを出して欲しいという要望を出したのだそうです。すみませんねぇ、早とちりで。（7 Sep.2000追記）

Modification History

4 Sep.2000

放映予定に伴う追記及び記述の修正

7 Sep.2000

件のサイト管理者からの指摘に対応して追記

17 Sep.2000

追記個所の変なところ（主に誤変換による）、Netscape Navigator等で表示の崩れが起こっていた―IEのHTML解析が過剰によきに計らっているだけ―のを修正