written in 31 May 1999
ニュースを見ていたら、なんだかWebページ作りのガイドラインなるものを作るとか作らないとか言っているのを耳にしました。要するに、高齢者や障害者のアクセスを考慮したページ作りの指針を作ろうという話のようです。「リニューアルについて（１９９９年５月）」にもちらっと書きましたが、そもそも環境が変わっただけで読めなくなるようなページデザインはある意味ダサいと思うのですね。まあ、出来るだけ多くの環境で読めるページを目指すか、あるいは環境を選んででも意図通りの表示を重視するかは各制作者の自由ですから私の口出しすぺき事ではないのですが…。
とは言え、テキストブラウザへの対応は別にするにしてもやたら大きな画面で見る事を前提にしたデザインとか、とにかく見にくい配色―うちは液晶なのでそこら辺は結構シビアである―とか、「頼むから何とかしてくれ」と言いたくなるようなページが多いのも事実です。うるさい事を言えば、改行や段落の設定にも気を使って欲しいんですがね。タグの使い方なんか見ていると―私はうちのHDDにページを再構築するソフトを使っているのでソースを見るのは容易である―変なところが結構ありますね。使っているWebページ作成ソフトが悪いのか、あるいはHTML文法の理解がおかしいのか判りませんが、見た目はとりあえず正常なので矛盾に気づかないという面もあるようです。ページ作成の敷居が低くなった事は表現したい事がある人が実際に表現する助けになる事ですからいい事ではあるのですが、引き換えに深く考えなくても良くなったが故に思慮の足りないページが増えてしまう事にもつながる訳です。もちろん、私も他人の事を言えるような立場にはないのですが…。
思うに、Webページの世界ではWYSIWYG(What You See Is What You Get)ではない事を意識している人は少ないのでしょう。意識していても「××の環境でないと意図通りに見えないよ」って言うだけで、○○の環境でも見えるようにしようという意識にはならない。ここが昔から存在する（表現手段としての）メディアとの最大の違いでしょう。印刷メディアも、音声・映像メディアも、質が劣化するという事はあっても基本的なデザインまでが変わってしまうと言う事はない。そもそも見る事すらできないなんてことは有り得ない。ここを意識していなければ表示環境を選ばないページ作りなんて発想が出てくる訳もない…ような気がします。時代―と言うか、技術はHTMLをより「見た目を意図通りに制御する」方向に進んでいる訳ですが、私は敢えてそれに逆行する方向に進んでしまっているようです。TJBのソースを見る人が見たら時代錯誤とすら感じるでしょうね。
自分の作ったページが違う環境ではどんな表示になるのか、手っ取り早いところではブラウザのウィンドウサイズを変えてみるとかフォントサイズを変えてみるなどすれば体験できますよね。私がメインでInternetExplorerを使っているのは「フォントサイズを簡単に５段階切り替え出来る（＝元に戻すのも簡単）」からなんですね―Navigatorだと細かい設定が出来る代わりに変更するのに手間なのだ―。
それにしても、です。技術的な話の前に自分のページの中を行き来するのにブラウザのBackボタンしか使えないページとか、リンクの張り方が不適切なページってのも結構多いですね。こうなるとページ設計の段階に問題がある訳で、フレームなどを使った複雑な設計のページでこれをやられるとネットサーフィンならぬネット溺死しかねないですね。どこぞのページ作成入門ページを見ていたら、普通の人が目的のコンテンツにたどり着くのに耐えられる？ジャンプ回数は３回までだとか。データベース志向のページだと３回では収まらない事も多いでしょうから、この辺でフレームをうまく使えば見通しの良いページになるようです。下手をすると最悪って事になるようですが…？
さて、冒頭に書いたガイドラインとやらですが、要するに画像の説明をする文章（つまり画像代替テキスト）を付けるとか、既にHTML文書作成のガイドラインに出ている事に過ぎないみたいですね。Webページ作成ソフトあたりから強制的に対応するしかないのでしょうかね…？それでも、タグ入れ支援機能程度のエディタを使っていたら意味ないですし。ちなみに、私は普通のエディタで一から書いてますが…―あ、タグの強調表示機能はありますな―。
何でも軽いノリがもてはやされるご時勢ですが、自分の作っているページの使いやすさにちょーっとだけ気を使ってもいいんじゃないかな、と思う今日この頃でした。ここ数日あちこちのページを見ていて見辛いページが多かったように感じた愚痴ですね、これ。もっとも、先日顔を出した某オフ会ではうちのページを見た人に「何やっているのか分からない」と言われてしまいました。…やっぱ、うちが濃すぎるのだろうか―そういう指摘は過去にもあったのだが―。