written in 8 Jan.2001
年が明けて初めての更新になります。いやまあ、世紀が変わって、とか、千年紀が変わって、でもいいんでけすけどね。しばらくは「今世紀初の」というフレーズがあちこちで多用される事でしょう。こういう機会ですから今回の年賀状は気合を入れて作ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
かく言う私は、実は昔から結構年賀状に凝る方です。1990年代後半の異常なまでの？凝り具合に比べればそれ程ではないにしても、虚礼なんてとんでもないというところです。まあ、新年の挨拶というよりはそれにかこつけた自己宣伝ですけど―何度年明け早々失礼な事を書いてきたことか―。ここ数年は特にろくでもないことばかりやってきています。1997年（丑）は部分的にあぶり出しを使い、1998年（寅）には自分で撮影したヘール・ボップ彗星の画像を使ってプリントゴッコ印刷に挑戦し、1999年（卯）には同じく自分で撮影した満月の画像でプリントゴッコ印刷、2000年（辰）のは自分で撮影した日食の画像で写真年賀状（デジタルデータ出力）ときて、今年はかなり手抜きなへび＆へびつかい座の天文シミュレーションソフトの星座絵をちょっとだけ加工して使うという情けないものとなりました。
1998年のヘール・ボップ彗星はプリントゴッコを使った訳ですが、実は普通のインクではなく蓄光インクを使いました。え、そんなものどこに売っているのかって？売っていません。ないものは仕方ないので作りました。市販の蓄光インクを使ったペンのインクをプリントゴッコの白インクと混ぜて作りましたとも。当然普通のインクとは似て異なる代物になるので印刷には結構苦労しました。その代わり、雑誌に掲載されたような見事な写真とも一味違うリアリティが得られたと自負しております。暗い所で光って見える訳ですからね。その代わり、追加製作が事実上困難なので足りなくなったらもうだめ、でしたが。
1999年のは元旦に満月が重なるので卯年という事もあって満月を使いました（日本で月と言えばウサギだよな）。ちなみに、1998年の中秋の名月の日に撮影した満月です。プリントゴッコでCMY3色分解印刷をやってみたのですが、色の分解に失敗して大失敗でした。うう。
2000年は辰年ということで皆既日食の写真を使いました。東洋では日食は龍が太陽を食べるために起こると考えられていたという話を元にした訳です。その為にハンガリーまで行ってきて撮影したので、考えようによっては費用が一番かかっている年賀状とも言えます。計画段階から1年半くらいかけている事にもなりますが、構想だけならもっと前から考えていたような気もします。ちなみに、日食ツアーでご一緒した方などにはまともな日食の写真を使ったものを送っていますが、他の人には顰蹙撮影モードの写真を使ったものを送りました（旅行で一緒だった方には残暑見舞いで同じものを送ったので）。合成でも作れそうな写真ですが、もちろん本物です。
今年は前述したようにかなり手抜きなんですが、ここ数年画像に凝った作りだったので反動が出たのか、久しぶりにやたら文字の多い年賀状になりました。プリンタ性能の向上もあって最小4ポイント相当の文字は使っているは、総文字数が400字を超えているは、まあ普通の年賀状からするととんでもない量の文字が入るという、ろくでもないものです。会社の上司の一人からは返事に「読みづらい年賀状 of the Year」を頂いてしまいました。光栄の至りですな！
…と、ここ数年凝りまくっているのは手書きや版画などの年賀状を作ってくる人に負けたくないという気持ちがあるからでしょう。どうもプリントゴッコやパソコンで作っていると楽していると思われがちなんですが、必ずしもそうは言えません。「お前のプリントゴッコの使い方が問題だ」と言われればその通りなんですが、普通の使い方をしても市販の素材集のカットは滅多に使いません。絵心がある人ならともかく絵の描けない私がそういうものを使わずに作ろうと思ったら、これはこれで結構苦労します。自前の素材じゃ捻りが足らんと変な趣向を盛り込もうとするから悪いと言われればそうなんですが…。パソコンでもほぼ同じ事で、あれはあれで苦労しているんです―ソフトの扱いがどうとかいうレベルじゃなくて、ね―。
まあ、凝っているという事になると私の妹などもここ数年凝ってます。毎年子供―甥や姪ですな、私から見ると―に干支の着ぐるみ風衣装を着せた写真を送ってきます。もちろんそんなもの市販している訳もなく―売ってるかもしれないけど―、手作りです。今年なんかフードから牙生えているし、ネクタイかと思ったら先が二つに割れているし、足元はとぐろ巻いているし。こちらはもともと絵心のある人なのでそういうデザインはお手の物というのもあるのでしょうが、それにしてもよく作りますわ…。しかしまあ、子年からずっと（寅はないけど）やってきてますが、さすがに干支一周はしないだろうなぁ…。とても中学生になった子がそんなもの着るとは思えない。
さて、市販の素材集を使ったと思われる年賀状でもなんとなく面白い傾向があるような気がします。どうも選ばれたカットのへびが選んだ当人に似ているような気が…いや、顔がへびっぽいというのではなくて、雰囲気が何となく似ているような気がするんです。皆様もお手元の年賀状を見て頂けば、何か傾向が見つかるかもしれません。
それにしても、今年は手抜き気味というのを除いても大敗です。一言のコメントで見事に沈められましたとさ…。来年には逆襲できればいいんですがねぇ。
あ、1999年からは年1回では足りなくなったのか、暑中or残暑見舞いも出さないと気が済まなくなってきました。あまりエスカレートすると死にそうですが…。