written in 25 Dec.2000
笠原弘子ファンにとっては半ば当たり前な事だが、弘子さんは実年齢よりもかなり若く見える。東洋人は西洋人と比べると一般に若く見えるのが通例ではあるが、弘子さんはその東洋人の中でもかなり若く見える事はよく知られている事実である。
以前書いた「勝手にキャスティング”三浦茜”編」にも書いたが、弘子さんはおおよそ実年齢の3割くらいサバを読んでいても違和感がないと私は感じている。先日見てきたイベントの時にも感じた事だが、二十歳かそこらの―もう少し若いか？―子の横にいてもさほど歳が上のようには見えず、まあちょっとばかりお姉さんというようにしか見えなかった。断っておくが、先日のイベントのときの子は高校生だと言われればそんなもんかと思える程度の、まあ年相応よりは少し若目に見えるかなという程度であった。どうやら、笠原弘子が実年齢の7割くらいの年齢に特に違和感なく見えるというのは間違いなさそうである。
さて、これまたファンにはおなじみの事実だが、弘子さんは「スローせっかち」とよく言われている。本人は結構せっかちなのだが周囲には明らかに時間の流れ方が遅く見えるとも言われている。公私共に長きに渡って弘子さんを見ている冨永みーなさんをして弘子時間などと言わしめているのはその一例であろう。確かにファンとして見ていてもマイペースを堅持しているように見えるし、本当に大丈夫かとすら思わせるところさえある。弘子さん本人もある程度気にしている様子はあるが、何らかの方法で無理にでも解決しようという様子はないように見える。
これはあくまでも仮説に過ぎないが、弘子さんの生理的時間は実は他の人の7割程度のスピードで動いているのではないかと私は考える。他の人より遅れているのではなく、あくまでも基準そのものがゆっくりしているのではないか、という訳だ。パソコンのCPUクロック周波数（他、ディスクの回転数など）自体が低く出来ていると例えると分かりやすいかもしれない。生理的時間が生物によって固有の時間を持っていることは既に「ゾウの時間 ネズミの時間（本川達雄著 中公新書1087）」などで発表されている考え方だが、ここでは時間が体重の1/4乗に比例するとされている。哺乳類なら一生の間に心臓の拍動する回数はどの生物でもほぼ一定だし―ホモ・サピエンスのように人工的な環境で寿命が大きく伸びている場合は別である―、呼吸回数や寿命もおよそ一定の比率になる。試しに7割のスピードがどのくらいの体重に相当するのか計算してみると一般のホモ・サピエンスの4倍程となる。日本人としても比較的小柄な弘子さんが、生理的時間の面ではKONISHIKI氏とかヒグマとかグリズリークラスの生物に相当するというのもなかなか面白い話ではある。
笠原弘子の魅力が、他の人に比べてゆっくりとした時間を基にしたかのような雰囲気に起因する部分が大きい事は今更語るまでもないが、その雰囲気が大型の熊ほどの生理的時間にあるというのはもちろん物証に欠ける仮説である。しかし、笠原弘子の魅力を語る上で歳を取るのが遅い（ように見える）といった観点から考えてみる事も時には必要であろう。30年ほど後に、弘子さんが40過ぎかそこらにしか見えないといった事実を目の当たりにするなら、この仮説について十分な再検討が必要になる。我々笠原弘子ファンは、この仮説（以外のものを含む）の検証のためにも、今後とも応援を続けていかねばならないのである。もっとも、今更弘子ファンを止めようなんて愚か者がいるとは思えないが…。